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第2号 今が旬!平城遷都1300年祭 「平城宮跡」

今日の平城宮の基礎を築いた 『第二次大極殿』


▲第二大極殿跡
第一大極殿から東へ行くこと5分少々。
右手に見えるのが、第二大極殿跡です。
このあたりで天候が怪しくなり、温い風が吹き出しました。
でも、おかげで暑さがましになって、散策にはちょうどいい気候に。

さて、この第二大極殿。
初めはこちらが第一大極殿跡だと思われていたようで、明治の終わりから保全運動が行われていてこの一画だけは、大正11年から国の史跡になっていたようです。
その保全の歴史は、平城宮跡資料館で詳しく知ることができます。

第一大極殿やその他の平城宮跡が見つかったのは戦後しばらくしてから。
それまでは、この第二大極殿跡と朝堂院跡以外は田畑だったようです。
後ほど、平城宮跡資料館で当時の写真を見ることが出来ましたが、確かに一面田畑が広がっていました。
上に田畑があっても遺構ってちゃんと残っているものなのですね。驚きました。

北側には謎の植え込みがあります。
これは実は、天皇の住まいである内裏跡の柱の位置を示しています。
普段の執務はこの内裏跡で行われていたようです。
一方、南側には朝堂院があった場所で何箇所か土が盛り上がった所がありました。
なんでも、その場所に建物が建っていたとか。
調べによると、12棟の建物があったとの事ですが、土の盛り上がったところは10か所しかないそうです。
第二次大極殿跡程高さのなかったその土台は、昔のお百姓さんが取り崩し農地にされたりしていた様で、残ってる土台も元の大きさであろう形からは小さくなっているものもありました。
第二次大極殿跡から見ると緑の草などが生えているので、ちっちゃな古墳のようにも見えます。
        
▲東区朝堂院跡を現した地図 ▲ 内裏跡植え込み

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平城宮の役人に成りきろう! 『平城京なりきり体験館』

 
第二次大極殿から東へさらに歩いて行くと、平城京なりきり体験館があります。
平城京なりきり体験館では、貴族の衣装を着ての撮影や木簡づくりなどを体験できます。
第一次大極殿で行う体験とは違い、もう少し当時の作りに近い貴族服で写真を撮ることができます。
木簡作りは、スタッフの開設とともに実際に墨と筆を使って木簡を作成し、当時の役人の仕事の様子と、木簡について楽しく学ぶことができます。
その他疑似発掘体験コーナーなどもあり、家族連れの方が楽しまれていました。

歴史を垣間見れる 『遺構展示館

▲宮内省             
平城京なりきり体験館から更に進むと、遺構展示館があります。
遺構展示館は三つの棟に分かれていて、それぞれに興味深い出土物が置いてありました。

入口入ってすぐの北棟には内裏の模型が置かれていました。
驚きというか当然なのですが、内裏は日本様式で創られていたようです。
というのも、大極殿は賓客に、「唐の最新の技術を取り入れてますよ」というのを見せるために唐から学んだ形式で建てられていたようです。
天皇や貴族の住まいなどは、その必要がないので日本式の建築様式だったみたいです。
また、奈良時代に4回も建て替えられたという、建物の柱跡の実際の遺構を見ることができます。
また、当時の天皇が使っていたであろう井戸の木枠等が置いてありました。
この木枠はなんと、実際に使われていたもので、丸太の真ん中をくり抜き、トンネル状にしてあります。
勿論、天皇の使われる敷地にある井戸。
普通の井戸とは違いかなりの大きさでした。
年輪がくり抜かれているので詳しい年代はわからないですが、数百年は経っているだろうというぐらい、大きな丸太の中央部分をそっくりくり抜く作業の大変さが伺いしれます。

当時は板で四角や丸の形に木枠を組んで井戸に入れていたようですから、流石は天皇の住まわれる場所という事なんでしょうね。
人の身長では中が覗けないので、木枠の上に鏡が設置されておりその鏡に映った枠の中を見ることができます。

中央棟には遺構展示館の中央棟には造酒司(みきの司)から出土した木製の排水溝の他、木簡、鬼瓦、せん(レンガ)、板で組んだ一般的な井戸枠、などが展示してありました。

南棟では、大量の磚(古代のレンガ)を敷き詰めた珍しい建物跡を見ることができました。
苔が沢山生えてましたが、これは何処からともなく入り込んだ鳥などが運んできて、湧き出でる地下水などがあるので繁殖したみたいです。


こちらにも要所毎に定点ガイドがいらっしゃるので詳しいお話を聞くことができます。
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発掘の成果を知る 『平城宮跡資料館』

 
▲発掘現場の様子
遺跡展示館とは逆、大極殿から西へ歩いて行くと、平城宮跡資料館があります。
平城宮跡資料館では、発掘の様子の模型や、平城宮跡の保存・発掘の歴史、発掘した遺跡のレプリカ等を展示してありました。
木簡など木製のものは元そっくりに作られていますが、ほぼレプリカとの事。
なんでも、発掘前は、水分のある土により守られて現在まで残っていたので、外に出してしまうとダメになってしまうんだそうです。
保存する時も水につけて保存されていて、一年に一度程水を入れ替えるようですが数万点以上あるようで、とても大変な作業みたいです。
想像するだけでも、疲れますよね。

その他にも当時の貴族の部屋を再現した模型などもありました。

こちらにも定点ガイドの方がいらっしゃいます。
   
 ▲天皇の食卓を再現 ▲役所内を再現 
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奈良時代の優美 『東院庭園』

 
▲東院庭園正殿
今回は行くことが出来なかったのですが、平城宮跡にはもう一つ、復元された場所があります。
東南の角にある、東院庭園は東西80m、南北100mの敷地の中央に複雑な曲線の池と周囲にいくつかの建物があったようです。
当時の庭園は、高貴な人々の憩いの場であると同時に、お客様をお招きする迎賓館の役割も果たしていました。

前期は大陸風庭園で、後期は日本風庭園に作りかえられていた様です。 

平安時代以降の庭園の原型ともいえる重要な東院庭園。
お時間がある時は是非足を運んでみてください。
▲東院庭園隅楼
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これからも続く平城宮の歴史 『国営平城宮跡歴史公園』

 
▲未来の平城宮跡歴史公園
平城宮跡は1300年祭が終わった後も、建物の復原などを行い将来的には模型のような公園にする予定とのことです。

平城遷都1300年祭は11月7日まであります。
まだまだ開催されていますので皆様是非来場してみてください。
これから来場予定の方は、まだまだ暑いですので、帽子や日傘、お水などの熱中症対策を忘れないようにしてくださいね。

尚、11月8日からはシャトルバスや、エントランス広場・ふれあい広場等のお店は閉店してしまいますのでご来場の際はご注意ください。
11月8日以降も、国営平城宮跡歴史公園として、復原された朱雀門、大極殿や東院庭園又、遺構展示館や平城宮跡資料館はご覧いただけます。


ご協力:NPO平城宮跡サポートネットワーク
※平城宮跡サポートネットワーク様ではガイドは行っておりません。ガイドご希望の方は、平城宮跡ガイドツアー又はセルフガイドシステムをご利用下さい。詳しい情報は平城遷都1300年祭のホームページをご覧ください
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奈良県観光ボランティアガイド連絡会
Association of Nara Volunteer local Guides. since 2006